オーガニック・ベジタリアン&ビーガンも楽しめる!自然派インド料理 ナタラジ

ナタラジ ストーリー:今日まで、そしてこれから

菜食カレー
「ナタラジ」の来し方・行く末について、オーナーの奥さん・MASAKOさんが、
ざっくばらんに語ります。(インタビューは2007年秋に行なわれたものです)


Q.ナタラジがオープンしたのって、いつなんですか?

一番最初は高田馬場、早稲田通り沿いに7坪、15席程の小さなお店を1989年9月にオープンしました。

当時のメニューは、サモサやカチョーリにセウといったインドの珍しいスナック類とチャパティ、
カレーはベジタブルや豆のカレーの二種類だけでした。
菜食料理
今から19年前ですから、肉が入っていないなんてカレーじゃない、と思っている人がほとんどで、
日本で菜食だけのインド料理屋をやるなんて、絶対無理に決まっている、と周りからもさんざん言われましたよ(笑)


Q.それでも続けていこうと思った理由は?
菜食料理
インドはもともと菜食の人(ベジタリアン)が多いので、香辛料を巧みに使いこなした美味しい野菜料理がたくさんあるんです。
インドに行くと、これもカレー、こんなカレーもって、驚きでしたね。
ベジタリアンも多いインド西部のグジャラート州出身のオーナーは、もともと料理が得意で、大根やヨーグルトのカレー、かぼちゃのカレーなど、日本では今まで見たことも味わったこともない、野菜がたっぷりで満足感あるカレーを色々と作ってくれました。
肉や魚が入っていないとカレーじゃない、食べる気がしない、という人に、とにかくその美味しさと衝撃をわかってほしかったですね。


Q.でもそれだけでは、経営的に難しいんじゃないですか?

えぇ、相変わらず、「えー、肉ないの?ならいいや」と、席を立ってしまうお客様は結構いらっしゃって、
「うーん、食べてから言うのならまだしも、食べる前に帰ってしまうなんて・・・」と、

それで、オーナーが、ソーヤ(大豆)を使ったカレーを作りました。
実は私も、インドを旅しているとき、ターリー皿でいろんな野菜カレーが食べれる食堂で、大豆グルテンのソーヤビーンワリを使ったカレーを食べたことがあったんです。
日本のお麩をもっと固くしたような、小粒でころころした、ソーヤビーンワリは、歯ごたえがあって香辛料と絡まって、おもしろいなと思いました。
ナタラジでは、それをさらに大豆の臭みがでないように、うまく香辛料をあわせて、美味しくなるように工夫し、オリジナルのナタラジカレーとして、メニューに加えました。
菜食料理
日本では、「肉もどき」とも考えられがちな大豆グルテンのナタラジカレーですが、インドの家庭では、ソーヤビーンワリは手軽な食材としてよく使われています。
もともとインドでは、栄養豊富な豆を上手に使った料理がたくさんあるんです。揚げ物のパコラやおせんべいのようなパパドも、豆の粉を使っているんですよ。
菜食料理を食べる前から先入感で抵抗を持つお客様に、肉に似た食感の大豆グルテンの料理を紹介しながら、野菜カレーのおいしさと奥深さを伝えようと努力しました。
とにかく肉の無いカレーってどんなものか一度食べてみてから、判断していただきたかったんですね。


Q.その後お店はどうなったんですか?
菜食料理
1990年に、今のコック長のサダナンダが来日し、料理が大好きな彼のもとで、だんだんとカレーのメニューが増えるにつれて、キッチンのスペースが狭くなり、荻窪にもお店を出すことになりました。
荻窪店はその後、ナタラジのお客様の紹介で、近くの広い地下のスペースを借りることとなり、1998年に、高田馬場店を荻窪に全面移転しました。

高田馬場は、小さいお店で認知度もあまりなかったと思っていたのですが、その頃、早稲田の学生さんだった人が10年以上たって今では社会の一線で働いていて、高田馬場のお店にはよく行ってたんですよー、という方にときどきお会いすることがあるんです。
この間は、私の娘の中学校の担任の先生が、
「学生の頃はよくナタラジに行っていましたよ。自分にとって、癒される店でした」
と言っていたというのを 聞いて、本当に、胸が熱くなりました。
いろんな人と出会い、いろんな人に支えられて、今のナタラジがあるんだなと、感謝の気持ちで一杯ですね。

その後、2000年に青山店を、2002年に銀座店をオープンして段々と都心に出て行った感があるのですが、2004年にはリゾート地・長野の蓼科に、メラ・ナタラジをオープンしました。
温泉もあって、近くの畑を借りて高原野菜を作っています。
冬は雪なので4月から11月中旬のみの営業なのですが、標高1230mの新鮮な空気に、心もからだもリフレッシュされますね。



Q.ところで、インド料理は、地域によって料理の種類が違うと聞きますが、ナタラジはどうなんですか?

たしかに、インドは北や南など地域によって小麦や米など主食が違ったり、カレーの種類も異なるものがあります。
当店でもよく、北料理店ですか、南料理店ですかと聞かれることがあります。
でも、ナタラジでは、「北」や「南」の料理といった単純な分け方をするのではなくて、インドの広大な大地で生まれたその地方ならではの美味しくて元気になるカレーを広範囲に見つけ出して、皆様にお勧めしたいと考えています。
だって、家庭の数だけ香辛料の使い方と料理の種類があると言われるくらい、インド料理は多彩なんですよ。

その中でも、ナタラジの基本的なコンセプトはヘルシーで安心できる食材を使うということです。
ナタラジでは、北インド料理の代表的なナンを日本で初めて(おそらく世界で初めて?)天然酵母と国産小麦を使って創りました。
いろいろな料理に使う基本の油も、コストは倍かかるのですが、より良いものを厳選して使っています。
私たちは、そういったことを、最初のころは全く表に宣伝していませんでした。来られるお客さんが美味しいと感じてくれればそれで良いと思っていたのです。
ナンがあるインド料理店では、全粒粉のチャパティもあるのは珍しいらしいですが、当店では厨房が大変にはなるのですが、お客様の要望にこたえようと両方をお出ししています。
菜食料理
辛くて酸っぱくて、さっぱりとした南インド料理の代表的なサンバー(サンバル)はわたしも大好きです。
ナタラジでは以前からサンバーをサイドメニュー のスープとしてメニューに加えています。
ムング豆とチャナ豆をつぶして丸めて揚げたスナックのダル・ワラは西インド地方のものなんですよ。
これからも日本ではあまり知られていないヘルシーな料理を、いろいろと紹介していきたいですね。


Q.それは、オーナーの方針なのですか?
菜食料理
オーナーがいつも言っていて私たちが大事にしていることは、ナタラジは五つ星ホテルの「よそ行き」の料理ではなくて、たとえ豪華に見えても基本は「家庭料理」なのだということなんです。
ホテルの食事はいつも食べてたら飽きてしまう、でも、「家庭料理」は誰もが心からほっとして、じんわりと温かくなり何度も食べたくなる。
ナタラジが目指すのは、そんな料理なんです。


Q.レストランではそれは難しくないですか?

どんなに有名なホテルで修行した料理人でも、毎日自分が食べたいと思う料理をお客様にも提供しなければ、意味がないですよね。
それに料理をつくる側の人柄は、料理にもあらわれますよね。コック長のサダナンダは、男だけど、お母さんのような包容力のある暖かい人柄なんです。
料理をつくるのを楽しんでいて、調子が良いときは、鼻歌を歌ってクッキングしています。
もう一人のコックのチャチャも、職人気質のお父さんという感じで、機嫌が良いとお客さんがいても大声で歌いだすんですよ。

サダナンダが言っていたことで印象に残っていることがあります。

「インドではね、お金持ちは尊敬されないんですよ。
 お金のために生きている人と思って、皆心の中ではね、
 むしろ軽蔑しているんですよ。
 インドの社会はね、そういうところがあるんですよ」

インドはものすごい勢いで経済発展しつつあるけれども、貧富の差は相変わらずで社会が混沌(カオス)であるのは今も変わらない。
でも一方で、インドは人生を楽しむ術を知っているというか、懐がおっきくて、「本当に大切なもの」 をしっかりと見据えている気がします。
それがインドのすごさであり、知恵だという気がしますね。


Q.ナタラジでは、自家農園で野菜をつくっているそうですね。
菜食料理
ナタラジのオーナーはよく、日本の野菜はインドのよりサイズが大きいけれど、味気がないと言っていました。
実際、インドの野菜はみんな小粒だけど、味はずっしりと深いんです。
最近は近代化の波でインドでも肥料をつかって大きくした野菜も見かけるようになりましたが、田舎では昔ながらのままです。
それで、日本でも自家農園で有機野菜づくりを試みました。今では特に春、夏の収穫期には、山梨と蓼科からたくさんの野菜が届きます。
にがうりは、今でこそスーパーで売られるようになったけど、以前には日本で手に入るのは沖縄と九州ぐらいでした。
そこでインドで食べたことのある、苦いけれども体に良い、にがうり(カレーラ)のカレーが食べたくて畑で作りました。
カレーラ・マサラのメニューは、オーナーの故郷の家庭料理をアレンジして出来上がった、ナタラジのオリジナル料理の一つです。





Q.いろいろなお話を、ありがとうございました。
  なんだか今日の帰りは、ナタラジで食事したくなりましたね。(笑)

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